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第2回「排出事業者責任について」

2023年07月31日

はじめに

この記事を読んで下さっているみなさま、こんにちは!エコスタッフ・ジャパン株式会社(ESJ)の石中です。

このコラムでは、主に「産業廃棄物に関する基礎知識」や「環境に関する時事ニュース」について取り上げて解説しております。

 

排出事業者責任について

第2回となる今回のコラムの内容は、「排出事業者責任について」です!

いきなり「排出事業者責任」と言われても、

なんのことかわからない方もいらっしゃるかと思いますので、まずは前提のお話からさせて頂きます。

産業廃棄物を排出する排出事業者は、

事業活動によって生じた廃棄物を「自らの責任において適正に処理」しなければならないことが法*で定められています。

(*「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、第1回でも学びましたね!

しかし、現実的には排出事業者が自社の産業廃棄物を全て自ら処理することは難しいため、

大部分の産業廃棄物は、産業廃棄物を処理する許可を持つ処理事業者によって処理されています。

ここで重要なのは、許可業者に自社の廃棄物の処理を委託した場合も、

処理が完全に終了するまで排出事業者に責任があるということです。

 

排出事業者責任のポイントについて

排出事業者責任を果たすため、産業廃棄物の処理を委託する際は以下のような手順を踏む必要があります。

1.委託基準の遵守

1)適法な処理事業者への委託

2)委託契約書の締結

3)マニフェストの交付・運用

4)委託契約書、マニフェストの保存

2.最終処分終了までの注意義務

廃棄物処理における一連の工程において、収集運搬~中間処理~最終処分までが適正に行われているかを確認する必要があります。

日常的には、マニフェストの内容から自社の廃棄物の処理状況を確認することが基本となりますが、

1年に一回程度は、処理委託先の現地確認を行うことが求められています。

現地確認は、法律上は「努力義務」ですが、自治体によっては条例で明確に「義務」として定めているところもあります。

 

違反と罰則

これらの義務を放棄または違反した場合は、罰則の対象となります。最悪の場合は逮捕されたり、

社名が公表されたりするケースもあります。最近(2022年)の事例として、以下のような事案をご紹介します。

 

【事例】

印刷業A社が「産業廃棄物」に該当する自社製品を、一般廃棄物として処理を委託。

委託された処理事業者B社は産業廃棄物処理の許可を持っておらず、一般廃棄物として処理した。

 ⇒ 廃棄物処理法違反の疑いで、B社の代表を逮捕、A社の代表は書類送検

 

【違反・罰則】

このような事例の場合、排出事業者は下記の違反に該当する可能性があります。

1.「委託基準違反(無許可業者への委託)」

5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、またはその両方

2.「委託基準違反(政令で定める委託基準の違反)」

3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその両方

3.「管理票交付義務違反・記載義務違反・虚偽記載」

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

この事案から見てもわかるように、

自社の産業廃棄物の処理を引き受けてくれる処理事業者を見つけても、排出事業者の務めはそこで終わりではありません。

委託先の選定の段階から、本当に適法な事業者であるのか、排出事業者自ら確認していく姿勢が必要になります。

 

さいごに

さて、第2回目となる「排出事業者責任について」は、少し重い内容となりました。

(まとめ)

・排出事業者は基本的には自社の廃棄物を自ら処理する責任がある

・廃棄物の処理を他者に委託する場合は、適法な処理事業者を探す必要がある

・処理の委託にあたっては、各種の委託基準を遵守する必要がある

・処理委託後も、最終処分終了まで適正に行われることを確認する必要がある

・処理委託時に何らかの違反を行った場合は罰則の対象となり、最悪の場合、社名公表などのリスクもある

産業廃棄物の処理を委託する際は、思いのほか手順や確認項目が多く、注意が必要であることがお分かり頂けたかと思います。

エコスタッフ・ジャパンは、このような産業廃棄物に絡むお客様のリスクを回避し、

排出事業者」としての責任を果たすための各種サポートを行っております。

自社の産業廃棄物の管理状況・委託状況に少しでも不安があるお客様は、お気軽にESJまでお問い合わせください。

 

次回、第3回目の内容は「契約書について」です!

産業廃棄物の処理を委託する際は、産業廃棄物処理業者との契約が必要となります。

「ごみを捨てるだけなのに、契約書が必要なの?」と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

法律で「委託基準」として定められていますので、「契約書」についてもしっかりと把握しておくことが大切です!

「契約書」の種類や記載事項について、詳しく解説していきますので、次回の投稿も是非、読んでみてくださいね!!

 

今回の記事や、ESJに対するご質問がありましたら、

こちらからご連絡ください!

 

参考

・出典:環境省「排出事業者責任の徹底について」

https://www.env.go.jp/recycle/waste/haisyutsu.html

・出典:e-GOV法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000137

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